「珠玉」は大作に使うのは間違いで小品に使う

「珠玉の大作」というと、何か素晴らしい作品のように思われます。「珠玉」も「大作」もどちらもほめ言葉ですが、二つを結びつけてほめ言葉にはできません。なぜなら「珠玉」は「海で採れる珠(真珠)と山で採れる玉(宝石)」のことで、それらが素晴らしいところから、詩や文章のすぐれたものをほめることぱとして使われるようになったものです。ところで「珠玉」は「珠」も「玉」も大きなものではなく、小さなものです。ですから、このほめ言葉の対象もおのずと小品となります。「珠玉の短編小説」といえても「珠玉の大長編小説」とはいわない所以(ゆえん)です。

「調子の波」には乗れない

「最近の彼は、調子の波に乗ってるね」3ヵ月売り上げトップのA君はまさに、乗りに乗っているところです。ですが、「調子の波」は間違い。正しくは「調子に乗る」あるいは「波に乗る」といいます。二つの言い方を合わせてしまって、「調子の波に乗る」と間違えてしまったものでしょう。「調子」は、ここでは「はずみ。勢い」のことで、本来は音の高低を表します。「波」も「水面の高低運動」のことで、二つを重ねるのは無理があります。

— posted by 間中 at 12:26 am