生唾は「わく」よだれは「出る」が正しい

「愛陶家なら生つばの出そうな作品がずらりと並んでいる」陳列棚の前で、生つばをごくりと飲み込む音が聞こえてきそうです。ですが、「生つば」は「出る」ものでなく「わく」と表現します。「出る」のは「よだれ」で、食い意地がはっているようでいけません。

たとえば「愛猫家(あいびょうか)ならよだれの出そうな猫がずらり・・・」といったら、英国あたりからすぐにでも抗議の電報がくるでしょう。ただし、非常に欲することを「垂涎(すいぜん)」といい「垂涎の的(まと)」などと使います。これは文字どおり、涎(よだれ)を垂らすことですから、動物相手には便わないほうが賢明かも・・・。

「熱にうなされる」はどこが間違い?

かぜで寝こんでいる子が、意識不確かになることを指して「熱にうなされる」というのは間違いです。「うなされる」は「魘される」と書き、恐ろしい夢などを見て、思わず苦しそうな声を立てることです。高熱のために、ぜいぜいとあえぐような声を出していても、それは「うなされる」とはいいません。例文のように。熱のために、意識が不確かになることは、「熱にうなされる」といいます。これは、現実に高熱にならなくても、「恋をして、まるで熱にうなされたみたいだ」のように比喩的(ひゆてき)にも用いられます。

— posted by 間中 at 12:22 pm