弓と矢を同時に引くと何も飛ばなくなる

「弓矢を引く」どこもおかしいところは見当たらない?よく間違える表現です。正しくは「弓を引く」です。こういえばなるほど、と思うことでしょう。「弓矢」は「弓と矢」ですから、両方を引いたら、飛んでいくものがなくなってしまうことにもなりかねません。正しく、弓に矢をつがえて射ることが大切です。

なお「弓を引く」には「矢を射る」ことのほかに「反抗する。そむく」の意味もあり、「親に向かって弓を引くつもりか」などと時代がかった表現で怒鳴られることもあります。余談ですか、「弓を引く」も間違いで「弦(つる)を引く」が正しいとする人もいるかもしれませんが、それは「川が流れる」をおかしいと言いがかりをつける人と同類といえます。

「手をこまねいて」は訛っている

何もしないでただ見ていることは、「傍観(ぼうかん)」とも「拱手」ともいい、二つ合わせて「拱手傍観」ということばもあります。ところで、「拱手」を「こうしゅ」と読んだのでは慣用読みで、「きょうしゅ」が正しい読み方です。「広辞苑」でも本見出しは「きょうしゅ」です。さらに「拱手」には問題があって、これを読み下して「手を拱く」という言い方もあるのですが、これを「こまねく」といってはだめなのです。

これは「こまぬく」の訛(なま)った読み方とされています。もちろん、広辞苑は「こまぬく」を本見出しとしています。「拱手(こうしゅ)」も「こまねく」も間違いとなると、辞書はこまめに引くべきですね。

— posted by 間中 at 02:20 pm