「汚名挽回のために努力します」決意はそれでよいのですが、「汚名挽回」では汚れた名前はうかばれません。汚名を挽回しても、汚名は汚名のままだからです。「挽回」は、「広辞苑」に「もとへもどしかえすこと。とりかえすこと。回復」とあります。つまり、もとの「汚名」にもどすことで、せっかく雪(すす)いだ(雪辱ということばがある)汚名を回復することになってしまいます。「汚名を雪(すす)ぐ」「汚名返上」なら「名誉挽回に成ったと喜んでよいでしょう。
「愛想」はふりまけない
「愛想」は「あいそ」と読みます。「人に接して示す好意、愛らしさ」のことで「愛想が尽きる」といえば「すっかりいやになる」ことです。では「愛想をふりまく」は「好意をふりまく」ことでしょうか。確かにそういうことはあるかもしれませんが、慣用句に「愛想をふりまく」はありません。それをいうなら「愛敬をふりまく」です。この場合の「愛敬」には「人に好かれるような愛想や世辞」の意味があり、「愛想」と似ているために混同されたものでしょう。